世代型ロボット支援手術システム「CORI」を日本海側初導入
-人工膝関節手術をより短時間で高精度なオーダーメイド手術へ-
新潟リハビリテーション病院は、22年3月、人工膝関節の手術時に使用する人工膝関節手術支援ロボット「NAVIO」の次世代機として開発された「CORI」を導入しました。
昨年、赤外線誘導式人工膝関節手術支援ロボット NAVIOTM(Smith&Nephew社製)を導入し、新潟大学整形外科との協働にて人工膝関節置換術を精力的に行ってきましたが、今回患者さんにとって、さらなる安全で正確な手術の提供ができるよう次世代機器のCORIを導入することとなりました。
このロボット支援手術は、主に変形性膝関節症などの手術治療のひとつである人工膝関節置換術で使用されます。
人工膝関節手術支援ロボットの概要
CORI <コリ>は2012年から世界各国で使用されている「NAVIO <ナビオ>」(販売名:NAVIO ロボット支援手術システム)の次世代機として開発されました。NAVIOのノウハウを踏襲しつつ、新しいタイプの骨切除用器械を導入することで骨切除に掛かる時間を短くすることができ、手術時間の短縮も期待できます。また、CORI専用のハンドピースは骨切除の位置や量がシステムにて制御され、更には新しい赤外線カメラの導入によって位置情報の認識スピードが向上することでより安全かつ正確な手術が期待できます。
患者さん個々の膝の状態を手術中にシステムへ読み込ませることで、オーダーメイドな手術をサポートいたします。
また、前十字靭帯及び後十字靭帯共に温存する両十字靭帯温存型人工膝関節置換術にも対応しており、患者さんの膝の状態に適した人工膝関節システムを選択することが可能となりますので、術後のQOL(クオリティオブライフ)の更なる向上も期待できます。
現在、日本では年間10万例以上の人工膝関節置換術が行われており、手術に至る原因の中で最も多い疾患が変形性膝関節症と言われています。その変形性膝関節症患者数は、厚生労働省のレポートによりますと、国内において自覚症状を有する患者数は約1,000万人、潜在的な患者数としては約3,000万人と推定されています。
導入の意義
医療法人愛広会 新潟リハビリテーション病院は、新潟大学整形外科の協力のもと、最新の手術支援ロボットを導入し、患者さんそれぞれの膝の骨形状や靭帯のバランスに合わせた最適な手術を提供します。より安全に配慮した手術を実施し、安定した膝を再建することができ、患者さんの QOL 向上に貢献します。
本システムの活用によって膝疾患で苦しむ皆様の痛みを軽減し、新潟の高齢者の健康長寿に貢献できることを願っています。